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ロンドン留学日記→帰国後はイギリスかぶれ英語教師の日記


by londondays
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テロから一週間

今日で、テロから一週間が経ちました。

毎週木曜日に買出しすることに決めている私は、
今日も買出しにピカデリー方面へ。

先週は、テロが起きたから繁華街には行かなかったっけ。
私は、テロが起きたのが木曜日だったってことを、この先忘れないと思います。

だからどうしたって話なんですが・・・
一週間の内で最も楽しみにしていた木曜日が、先週から変わってしまったのです。

友人にイギリス土産を送りたくて、プレゼント選びの目的もあった今日の買出し。
バスでコベント・ガーデン近くまで行き、歩く。
アロマセラピー・オイルで有名なNeal's Yard Remediesを探すも、なかなか見つからず・・・

今日は暑くて、半ば諦めたところでNeal's Yard Remediesを発見。
Neal's Yardっていう通りにあるからNeal's Yard Remediesって言うんですね。
ある程度めぼしをつけて、次はFortnum & Masonに向かうべく、ピカデリー方面へ。

レスター・スクエアまで歩いたところで正午まであと10分しかなかったので、少し休むことにしました。
今日、テロ犠牲者への黙祷が正午から2分間あることは知っていたので、
レスター・スクエアの片隅に腰をおろして、正午を待つ。
何かサイレンとかが鳴るのを期待してたのですが、何もありませんでした。

それぞれの店から店員が出てきて、だんだん周りが静かになり・・・
全てが止まった2分間でした。

車の走る音も、Swizerlandの時計も、人のざわめきも、全てが無くなった時間。

ロンドンの中心地で、全てが止まった瞬間。

もちろん、何が起こったのだろうとキョロキョロしている人もいました。
だんだん静かになっていく中、自分たちしか話していないことに気づいて戸惑う人たち。
歩いていいものかどうか迷って地図を片手に道の真ん中で困惑する観光客。

黙祷と言ってもみんな目を閉じてうつむいているのではなく、
全てが止まった瞬間を見回している人が大半でした。
困惑する人も、そうでない人も、動かずに、そして何も話さずに、その場に立つ。

テロ直後から、普段の生活を取り戻したロンドンの人々。
大都会の真ん中に作り出された静寂に、
テロでいかに彼らが傷ついたか、ということと同時に、
テロを恐れるまいというイギリス人の誇りを見た気がしました。

そしてまた静かに人が動き出し、
自然と拍手が起こりました。
店員は店に戻り、車が動き出し、通りの人は歩き出しました。
すれ違ったおばさんが涙目をこすりながら歩いているのを見て、
私もまた、悲しみにも怒りにも似た感情がこみ上げてきました。

ピカデリー・サーカスを横切ろうとすると、
警察官がテープで道をふさぎ、ピカデリー・サーカス中心に近づかないように人を移動させていました。
何があったのかはわかりませんが、おそらく不審物が見つかったのだと思います。
車も一切止められて、車から降りて様子を伺う人が道路でうろうろしていました。

私も遠回りをしてFortnum & Masonに行き、買い物をしました。
そして、SOHOの「らいすわいん」で日本食を買い、Oxford Streetへ。
Covent Gardenでも驚いたのですが、今日は人が少なかったです。
今日は暑くて疲れたので、私もバスで早々に戻りました。

行きもそうでしたが、バスには人がぎゅうぎゅうに乗っていて、座る場所が無いほどでした。
単にその路線のバスに利用者が多かったからかもしれませんが、
混んでいたのはBendy Busと呼ばれるバスが2つつながった長いバスで、
ダブル・デッカーに乗っている人はあまりいませんでした。
もしかしたら、一週間と言う区切りにテロが再発するのを恐れている人が多くいたのかもしれません。

帰ってきてからハウス・キーパーの人と話したり、夕食時に友達と話したりしたところ、
寮も、学校も、みんな人が外に出て、黙祷をしたそうです。
2つのテロ現場に近いラッセル・スクエアには、多くの人が集まって黙祷をささげたそうです。

テロ直後からイスラム系住民への嫌がらせが続発しているロンドン。
こういう事件がなくならない限り、「テロを恐れない」なんていう言葉は無力です。

早く本当の日常が戻って欲しいと願う今日この頃です。
by londondays | 2005-07-15 06:28 | ロンドンの日々