ロンドン留学日記→帰国後はイギリスかぶれ英語教師の日記


by londondays
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山形羽越線脱線事故

25日、クリスマスの夜、JRの脱線事故によって4名が亡くなられた。

・・・なんともいたたまれないニュースに、なんだか脱力してしまいました。
事故を起こしたのは、秋田と新潟を結ぶ「特急いなほ14号」。
なじみのある名前です。

犠牲者の中には新潟県在住の22歳の女性がいて・・・
同郷で年齢が近い私としては、知り合いでもなんでもないにも関わらず、
大きな衝撃を受けました。

こういうことが起こると、考えずにはいられないのです。
どうして彼女が死ななくてはならなかったのか。
どうして私じゃないのかって。
どうして死ぬ人と生きる人がいるんだろうって。
なんのための「生」なんだろうって。


ロンドンで同時多発テロが起こったとき、
私はバスが爆発した現場数百メートルのところにいた。
爆発の音を聞いて、
しばらくバリケード内で暮らしていた。
2回目のテロも、すぐそばだった。

日本からわざわざロンドンに来て、テロが起きた現場の近くにたまたま住んでいて、
それでも私はなんともなくて、
逆に故郷を離れてから、故郷に災害が次々と起こった。
洪水、台風、地震、大雪。
私は全てを回避して、ここにいるわけで。
たまに、「次何かが起きたらダメなんじゃないか」とか、
運を使い果たした気にもなる。
そしてそんな時、よく知っている人が突然亡くなったという知らせが届いたりして、
本当に、「なんで?」が増えるばかり。
なんで私じゃなくて、あの人が死ななくてはならないんだろう。
私の方が、死ぬべき人間なんじゃないのか・・・。
いや、そもそも「死ぬべき人間」「生きるべき人間」っているのか?
・・・こういう時、「神」を信じられたら楽なのかな、とも思ったりする。
「運命」で片付けられたら、楽だろうと思う。

テロ後、イギリスの新聞紙面で全ての犠牲者の名前と写真が掲載された。
特にイスラム系の犠牲者に関しては大きく取り上げられたように思う。
イスラム系住民をターゲットとした各地での差別・破壊行動に対して、
イスラム系住民も被害者だということを訴えかける必要性と、
テロ組織に対して、「テロが失敗に終わった」ことを印象付けるためだと思われた。

人種の坩堝ロンドン、犠牲者は人種も国籍もバラバラだったのを覚えている。
インド系イギリス人女性やポーランド人インターン・・・。
その中でも最も私の印象に強く残ったのは、
「最後の犠牲者」として大きく新聞で扱われた一人の青年だった。
(多少忘れたり間違えて記憶しているところもあるかと思いますが・・・)

それは一人のアフガン難民。
タリバン政権下、両親をタリバンに殺害され、
米軍のアフガン侵攻時、兄弟を米軍の「誤爆」で失い、
命からがらイギリスに難民として移住し、
ロンドンにある大学の学部生として学んでいた。
そんな彼が、生き延びるために移住したイギリスで、
大学に行く途中、地下鉄テロによって命を奪われる・・・。
しかも、最後まで苦しみながら。

なんという皮肉なんだろう、と思った。
まるでそれは死神が彼を捉えた瞬間。
悲しみの次には悲しみがまた待っていて、
死を逃れてもまた死が待っているなんて・・・
なんで、こういう人がいるんだろう。
なんで、私みたいな人間がのうのうと生きているんだろう。

なんだかすごくやりきれないのと同時に、罪悪感に似たものを感じた気がします。
そしてそれに良く似た感情が、この脱線事故の被害者に対して湧き上がったのです。
なんで彼らが死ななくてはならなかったのだろうか、と。


・・・脱線事故のニュースを見ていて、テロの時のことが強く思い出されたので、
思い出だしたまま書いてしまいました。
テレビ局の「ロンドンテロ再現ドラマ」を見ても全く現実感沸かないのに・・・。
同じ列車事故ということがあるかもしれません。
今まで無意識のうちに封じ込めてきたテロ後の記憶が、急にバーっと蘇ってきました。
直接何の被害も無い私でさえこうなのだから、
犠牲者・被害者の方々とその関係者の方々のことを考えると、
なんともいたたまれません。


犠牲者の方々に対して、心よりお悔やみ申し上げます。
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by londondays | 2005-12-27 01:45 | 日本の日々