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ロンドン留学日記→帰国後はイギリスかぶれ英語教師の日記


by londondays
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テロから一夜明けて・・・

昨日の朝に起こったテロから一夜明け、ロンドンは正常を取り戻そうとしています。

昨日の午前中は情報がバラバラに飛び交っている状況で、爆弾は7、8箇所だというような報道がされていて、私の住んでいる近くで4箇所の爆発があったように報道されていましたが、実際はすべてで4箇所の爆弾テロがあったようです。
地下鉄の駅の間で起こったので、駅がいくつも閉鎖されたからかもしれません。

今日はほとんどの線で地下鉄が運行を開始し、バスもほぼ前面開通。
事件のあった現場周辺を除いて・・・。

復旧に関して言うと、予想外に早かったですね。
何もなくても常に地下鉄が止まったりバスが故障したりしているロンドン。
こういう時の復旧は、なかなかどうして遅いものです。

ですが、「テロに通常生活は奪わせない」という呼びかけとプライドの元、今までにない速さで復旧がされています。
9.11後のジュリアーニN.Y元市長の呼びかけであったように、
「いつも通り仕事に行って、いつも通りの生活をする。」
ロンドン市民はこの言葉を実行しています。

現時点で21人の死者という最大の被害が出たKing's Cross駅でも、人々が長時間混乱に陥る事態はほとんどなく、そういう点では
「テロは完全に失敗した」
と現場のレポーターも強調していました。

私が住んでいる寮は現在も立ち入り禁止地区の中にあります。
今日は昨日よりも警官が増え、現場付近は大きなシートで隠されている状態。
大学に行くのにも、遠回りをして一度テープをくぐり、学校裏口から入っています。
帰る時は、ここの住民ですと警察に告げて、「立ち入り禁止」テープ内に入らなくてはなりません。
ちなみに大学は通常通り開いています。
ただ、私も去年受けたPresessional Courseのような授業はお休みの様子。

昨日の夜は寮のマネージャーも心配になったのか、住民がみんな戻ってきているか確認していました。
私の知り合いは全員無事みたいでしたが、中には現場を目撃した学生がいて・・・
爆発の黒煙と叫び声、血まみれの人々を見た彼女たちは精神的にダメージを受けているようでした。
震えが止まらなかったり、その時の映像を急に思い出してそわそわしだしたり。
こういう精神的なケアもこれから必要になってくると思います。

昨日携帯で連絡をくれた友達は、通勤途中逃した電車が事件にあった電車だったらしく・・・。
本当にロンドンにいるいろんな人の近くで起きたのを実感しました。

友達との会話も、自然とほぼテロの話になってしまいます。
実際、友達と話している時の方が楽って言うか・・・
一人で考えていると、恐怖なのか、悲しいのか、悔しいのか、自分でもわからない感情が高ぶってきて泣きたくなります。でも、同時に絶対泣きたくない気持ちもあって・・・。

テロなんかに日常生活を奪われたくない。
テロで予定なんて変えたくない。

私はどうしてもこういう風に力が入ってしまうのですが、イギリス人を見ると自然体で日常生活をしているようにも見えて、なんだか馬鹿馬鹿しくも思えます。

さっきばったり会ったイギリス人の友達も、
「日曜のBBQ、やるでしょ?バスが動かなかったらタクシー使えばいいし。」
って当たり前のごとく言っていたし・・・。
私なんか昨日の夜、怖くて当分どこにも出かけたくないという台湾人の友達に、
「テロに私の予定は変えさせない!」
って気張ってたのに・・・。

こういうところ、イギリス人ってすごいなぁ、と思ったりして。
アメリカが9.11後どんな状況だったのかテレビでしか知らないけれど
私はなんとなく、イギリスは大丈夫、っていう気がしました。
これからテロが起きない、と楽観視しているわけではありませんが、
イギリス国民は、大丈夫。
そんな気がします。
by londondays | 2005-07-09 00:36 | ロンドンの日々