人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ロンドン留学日記→帰国後はイギリスかぶれ英語教師の日記


by londondays
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

Les Liaisons Dangereuses

土曜日は、アダム・クーパー主演、日本で開演した
『危険な関係(Les Liaisons Dangereuses)』を観てきました。

会場のSadler's Wellsは行くのが初めてだったのですが・・・迷いました。はい。
本来なら20分程度で行けるはずが、1時間半くらいかかってしまい・・・。
半泣きでした。

まずバスで乗り過ごし、引き返すもまた間違った場所で下り・・・
会場に近いAngel Stationで下りるも会場が見つけられない!!
ここで体力を相当消耗してしまいました。

さて、Sadler's Wellsは改装したばかり(?)かどうかは知りませんが、
とてもモダンな建物でした。
Box Officeは窓口が多く広い上、それぞれの窓口が扱うチケットの種類が窓口上部のテレビ画面に表示されていました。
今回Stand Byチケット狙いだった私は、Stand Byチケットの窓口で販売開始時間を確認。
今までStand Byチケットには(非常に長い)列ができる傾向があったので、早めに行った私でしたが、誰も並んでいませんでした。

Box Office近くの椅子に腰掛けて論文を読んだりしながら待っていると、
おじいちゃんおばあちゃんがちまちまやって来ました。
Stand Byチケットは、60歳以上の人と、学生など収入の無い人向けのチケットだからです。
Sadler's Wellsでは、各公演の開演1時間前から、一律15ポンドで
売れ残っているチケットを販売しています。

Royal Opera Houseなどではお年寄りが長時間列に並んでいることが多くありましたが、
Sadler's Wellsのお年寄りは、列を作る様子ゼロ。
私と同じく近くの椅子に腰掛けて待つか、「後で来るわ」と引き戻したり。

ここで、隣に腰掛けたおじいちゃんと仲良くなりました。

おじいちゃん「僕はね、よくここに来るんだ。Stand By窓口の女の子に
        顔を覚えられちゃったくらいだよ!」


このおじいちゃんは、演劇やコンサートを見たり、旅行をするのが大好きみたいで、
いろいろ面白い話を聞けました。

おじいちゃん「来週はアイスランドに行くんだ!」

アダム・クーパーの演劇もいろいろ見ているみたいだし、
ウェスト・エンドの演劇も良く知っていました。

おじいちゃん「君もなかなか見ているねぇ。お、一年しかいないのかい?
        今のうちにたくさん見ちゃえ見ちゃえ!」


そんなこんなで時間は来て、チケットが発売されました。
別に列は全く作っていなかったのですが、そこら辺はきちんとしたいらしく、
「君が先に来てたから、先にチケット買いなね!」とおじいちゃんが私を前に押し出すと、
同じくBox Office付近で待っていた他のお年寄りも「君が早く来てたから・・・」と
私に最初にチケットを買わせてくれました。

今まで何でも「テキトー」に流すイギリス人しか見たことが無かったので、ちょっと感動。

結局、15ポンド(3千円)で一階ストール席中央、というすごく良い席を手にすることができました。

さて、前置きが長くなりましたが、内容は・・・
感想は、「綺麗なものを見た」という感じ。
全体的に幻想的な雰囲気で、ダンスはそれぞれが素晴らしいし、
ステージも工夫されていて、効果的にセットがされているなぁ、と思いました。
音響は(会場が新しいせいか?)特に素晴らしく効果的で、
控えめな音楽も舞台に合っていたし、フランス語のささやき声や、ゴーンと言う物音(?)は、
舞台をさらに幻想的な雰囲気にしていました。

始まる時も、何のアナウンスも無く、急にパッと暗くなって劇が始まり、驚かされました。
演劇の内容からも衣装なんかは中世のものだし
小道具も古典的なもので、ダンスも基本はバレーなのですが、
ダンスや舞台セットの使い方、途中で入る歌なんかは、
今までに無い、新しいものを作ろうとしているのがわかりました。

なので、少し不思議な気分にさせられる演劇でした。
とにかく、美しい。
そして、幻想的でスリリング。

アダム・クーパーのダンスはなんと言うか、パワフルでした。
ジャンプが特別高いわけでもなく、ダンスが特別綺麗というわけでもないのですが、
ベッドの天蓋からぐるんと下りてきたり、女性ダンサーとの絡みでは
「力あるぜ~」っていう感じ(?)で・・・「男らしい」魅力にあふれていました。

なんと言っても素晴らしかったのは、セシル役のダンサー!
小柄な少女役なのですが、すごく迫力のあるダンスでした。
プログラムを買わなかったので、ダンサーの名前がわからないのですが・・・
日本キャストと同じなら、ヘレン・ディクソンというダンサーです。

見終わってからの感覚は、美術館に行ってきた後と似た感じ。
ミュージカルやオペラ、バレーを見た後の興奮みたいなものは、あまり無かったかな・・・。
会場に行く前に疲れてしまったので、やや眠りそうになったのも事実です。

会場では所々空席が見られました。
ああ、もったいない。

余談ですが。
チケットを手に入れてから開演までの間、時間をつぶすために会場から出た私。
近くのマーケットに行こうと歩いていると、
会場のスタッフ専用入り口前でなにやら人が集まっていました。

「わぁ~、ダンサーかな?」
と思ってちらりと見ると、どーもアダム・クーパーっぽい人が。
「道端にアダム・クーパー?」
「金髪坊主にひげ面?」
まさか・・・と思って通り過ぎた私でしたが、
演劇を見て確信しました。
アダム・クーパー、金髪坊主のひげ面で踊ってましたから。
近くで見ると、普通の兄ちゃんでした。アダム。
あ、当たり前かも知れないけれど・・・。

日本だったら、ファンが劇場近くにもうろついてて、道端で休憩なんてできないだろうになぁ・・・
やっぱり日本人のミーハー根性は、少し特殊なのかな?とも思ったりして。
どうなんだ、自分。(←ミーハーの権化)

そんなこんなで、なかなか楽しい一日でした。
by londondays | 2005-07-25 04:14 | 演劇